FX ピボットポイントを活用して支持線と抵抗線を見つける
FXトレードにおいて、「ピボットポイント(Pivot Point)」は、相場の重要な転換点や節目となる価格帯をあらかじめ算出し、支持線(サポート)と抵抗線(レジスタンス)を把握するための強力なテクニカル指標です。主にデイトレーダーや短期トレーダーによく使われており、その日の売買戦略の判断材料として利用されます。価格がピボットポイントやその周辺のラインで反転しやすいため、エントリーや決済の判断、損切り・利確のポイント設定にも役立ちます。
本稿では、ピボットポイントの基本概念、計算方法、具体的な活用方法、実践例、注意点を解説します。
1. ピボットポイントとは?
ピボットポイントとは、前日の高値、安値、終値を使って算出される価格帯で、その日の相場の「重心」や「バランス点」として機能します。この中心点(P)を基準に、複数のサポートライン(S1, S2, S3)とレジスタンスライン(R1, R2, R3)が導かれます。
2. ピボットポイントの計算方法
基本のピボットポイント(P)
P=(高値(H)+安値(L)+終値(C))/3
サポートラインとレジスタンスライン
- R1 = (2 × P) − L
- S1 = (2 × P) − H
- R2 = P + (R1 − S1)
- S2 = P − (R1 − S1)
- R3, S3も応用して算出可能(詳細省略)
※ 現代では、これらの計算を自動で表示してくれるインジケーターが多数存在します。
3. ピボットポイントの具体的な活用法
① ピボットポイント(P)を基準にトレンド判断
- 価格がPより上で推移 → 買いが優勢(上昇トレンド)
- 価格がPより下で推移 → 売りが優勢(下降トレンド)
② S1〜S3、R1〜R3を支持線・抵抗線として活用
- 価格がS1で止まって反転 → 強いサポート
- 価格がR1で抑えられて反落 → 強いレジスタンス
- S1やR1を突破した場合 → トレンド継続の可能性が高まる
③ トレードのエントリー/決済判断
- 買いの例:
- 「価格がピボットポイント付近で反発した → エントリー」
- 「R1に近づいた → 利確ポイントに設定」
- 売りの例:
- 「R1で反落 → 売りエントリー」
- 「S1で反発しそう → 利確ライン」
④ 他のインジケーターと併用
- 移動平均線、RSI、MACDなどと組み合わせると、ピボットの信頼度が高まる。
- 例:「RSIが買われすぎの中で価格がR1に達した → 反落の可能性」
4. 実践的な活用例
例1:レンジ相場での逆張り戦略
- R1やS1での反発を狙った売買
- 価格が行き来しやすい相場では、ピボットラインが支持線・抵抗線としてよく機能
例2:トレンド相場での押し目/戻り狙い
- PやS1が押し目買いのポイント
- 上昇トレンド中にPで支えられた場合 → エントリーチャンス
例3:ブレイクアウト戦略
- R1を強く上抜けたら → R2までの上昇を狙う
- S1を下抜けたら → S2までの下落を狙う
5. ピボットポイント活用時の注意点
① 前日の相場が異常な場合は精度が落ちる
- 指標発表などでボラティリティが極端に高かった翌日は、ピボットラインが実勢からズレることがある
② 単独では使わない
- 他のサポレジライン、トレンドライン、チャートパターンと組み合わせることで信頼性が向上
③ 時間足に注意
- デイトレでは1時間足〜4時間足が有効。
- スキャルピングでは15分足や5分足のピボットが参照されることもある。
④ 毎日リセットされる
- ピボットポイントは日ごとに更新されるため、毎日の準備が大切。
6. まとめ
ピボットポイントは、相場の支持線・抵抗線を視覚的かつ客観的に判断できるツールとして、多くのトレーダーに利用されています。エントリー・決済の精度を上げたいときや、相場の転換点を捉えたいときに非常に役立ちます。
成功へのポイント
- ピボットポイント(P)を中心に、サポート・レジスタンスを把握
- 価格の位置関係からトレンドの強さを判断
- 他のインジケーターと併用して根拠を強化
- ラインの反応を見てエントリー・決済を計画
- 毎日更新し、前日のボラティリティにも注意を払う
ピボットポイントを活用すれば、感覚的なトレードから脱却し、より戦略的で一貫性のある取引が可能になります。